○江府町単線固定循環式特殊索道係員の職制、服務、運転取扱及び設備整備規則
平成5年12月24日
規則第18号
第1章 総則
第1条 特殊索道の係員の職制及び服務、運転取扱い並びに設備の整備については、特別の定めがある場合を除いて、この規則の定めるところによらなければならない。
第2章 職制
(職制表)
第2条 索道係員の職名と職務の内容は次の表のとおりとする。
職名 | 職務の内容 |
支配人 | 江府町長の命を受け、スキー場全般の業務を処理する。 |
技術管理者 | 支配人の命を受け、所属係員を指揮監督し、特殊索道(以下「リフト」という。)の技術及び運転保安に関する業務を処理する。 |
リフト主任 | 技術管理者の命を受け、所属係員を指揮監督し、リフトに関する一切の業務を処理する。 |
運転係 | リフト主任の命を受け、リフト運転及び監視の業務に従事する。 |
監視係 | リフト主任の命を受け、リフトの運転状態及び乗客の輸送状態を監視する業務に従事する。 |
乗客係 | リフト主任の命を受け、旅客の案内及び誘導並びに改札の業務に従事する。 |
出札係 | 支配人の命を受け、乗車券の発売に関する業務に従事する。 |
第3章 服務
第1節 服務総則
(安全輸送)
第3条 索道係員(以下「係員」という。)は、事業の公共的使命を良く認識し、安全な輸送に努めなければならない。
(規律の厳守)
第4条 係員は、厳正な規律のもとに上長の命に服し、法規令達を守らなければならない。
(品位の保持、知識、技能の向上)
第5条 係員は、常に品位を保ち、リフトを安全に運転するために十分な知識及び技能を保有しなければならない。
(接客)
第6条 係員は、勤務中服装を整え、所定の腕章等を着用し、乗客及び公衆の取扱いは親切、かつ、公正でなければならない。
(協力互助)
第7条 係員は、常に相互の連絡を持ち協力互助の精神を堅持しなければならない。
(事故措置)
第8条 係員は、常に事故の絶無を図らなければならない。もし、事故が発生したときは応急処置をとり、すみやかに所属上長に報告し、その指示を受けなければならない。
(救助措置)
第9条 係員は、事故又は停電等により不時に運転を停止した場合は、リフト主任の指揮により乗客を救助し、事後の措置をしなければならない。
(備品等の整備)
第10条 係員は、備品の整理、保管に留意し、特に機材、工具及び検査機具を常に整備しておかねばならない。
(遺失物)
第11条 係員は、旅客の遺失物については、定められた手続きによりこれを処理しなければならない。
(係員の禁止事項)
第12条 係員は、次の各号に掲げる行為をしてはならない。
(1) 酒気を帯びて勤務すること。
(2) 上長の許可なくみだりに職場を離れること。若しくは執務時間を変更し、又は業務を変更すること。
(3) 上長の許可なく部外者を執務場所に立入らせること。
(4) 部外者から謝礼その他名目のいかんにかかわらず業務に関して私に金銭又は物品を収受すること。
(勤務の交代)
第13条 係員は、勤務交代をするときは文書、口頭その他の方法により必要事項を引継がなければならない。
(係員の兼務又は交代)
第14条 係員は、他の職務を兼務又は代務するときは、その係員の服務に関する規定によらなければならない。
(設備の損壊報告)
第15条 係員は、リフト設備の損壊その他の不法行為があったときは、その状況を上長に報告しなければならない。
(被害の防止)
第16条 上長は、他の施設その他より設備に被害を受けるおそれがあると認めたときは、直ちに関係者と打合わせのうえ適当な処置をしなければならない。
(欠勤時の処置)
第17条 上長は、係員中に欠勤者があるときは、他の係員にその職務を兼務又は代務させ、若しくは自らこれを処理しなければならない。
第2節 リフト係員
第1款 技術管理者
(技術管理者の服務)
第18条 技術管理者は、支配人の命を受け所属係員を指揮監督し、リフトの技術及び運転保安に関する一切の業務を処理しなければならない。
第19条 技術管理者は、リフト施設について保守その他の見地から改良工事の必要を認めたときは、すみやかにその旨を上長に申出なければならない。
第20条 技術管理者は、設備の検査の年間実施計画を定めなければならない。
第21条 技術管理者は、リフト設備の1カ月検査以上の重要な検査に立会し、技術の指導にあたらなければならない。
第22条 技術管理者は、リフト設備の状態及び運転取扱いの状況を巡視し、その状況を確実に把握しなければならない。
第23条 技術管理者は、リフトの運転取扱、設備並びに異常時における応急処置及び乗客の救助方法について係員を教育訓練しなければならない。
第24条 技術管理者は、係員がリフトの安全な運転に必要な知識及び技能を保有することを確かめた後でなければ職務に従事させてはならない。
第25条 技術管理者は、事故防止の指導にあたり、万一事故が発生したときは、事態の程度に応じ係員を直接指揮し、又は技術的改善措置を図らなければならない。
第26条 技術管理者は、関連法規、令達及び設備に関する図表を常備し、変更の都度訂正しておかなければならない。
第2款 リフト主任
(リフト主任の服務)
第27条 リフト主任は、技術管理者の命を受け、係員を指揮監督し、リフトの運転保安及び運輸並びにリフト設備の管理に関する業務を処理しなければならない。
第28条 リフト主任は、営業運転に支障のないことを確認しなければならない。
第29条 リフト主任は、強風、濃霧その他異常な事態が予想され、リフト運転に危険を及ぼすおそれがあると認めるときは、この規則の定めにより、又は臨機応変に適切な処置を講じ、その状況及び経過を技術管理者に報告しなければならない。
第30条 リフト主任は、事故又は停電等により不時に運転を停止した場合は、係員を指揮し、乗客を救助しなければならない。
第31条 リフト主任は、技術的判断の難しい設備の異常又は故障の復旧については技術管理者の指示を受けなければならない。
第32条 リフト主任は、運転取扱いの状況を巡視しなければならない。
第33条 リフト主任は、事前に勤務計画を作成し、係員の勤務場所を指定し、作業中その他必要なときに必要な指示を与える等適切な指揮監督をしなければならない。
第3款 運転係
(運転係の服務)
第34条 運転係は、リフト主任の命を受け、リフト設備の運転及び線路監視に従事しなければならない。
第35条 運転係は、運転中巻上装置の故障等を発見したときはすみやかにリフト主任に報告し、その指示を受けなければならない。
第36条 運転係は、勤務が終わったときは運転中の状況をリフト主任に報告しなければならない。
第4款 監視係
(監視係の服務)
第37条 監視係は、リフト主任の命を受け、線路監視(運転係の担当する部分を除く。)及び降車監視に従事しなければならない。
第5款 乗客係
(乗客係の服務)
第38条 乗客係は、リフト主任の命を受け、旅客の案内誘導及び乗降者補助並びに改札に従事しなければならない。
第6款 出札係
(出札係の服務)
第39条 出札係は、支配人の命を受け、乗車券の発売に従事しなければならない。
第40条 出札係は、乗車券の出納に関し、正確に記録し整理しなければならない。
第41条 出札係は、乗車券及び収納金を保管しなければならない。
第4章 運転取扱
第1節 運転方法
(心身異常の場合の処置)
第42条 リフト主任は、係員が執務する前に休養その他心身の状態等の報告を求め、運転に必要な指示を与えなければならない。
2 リフト主任は、係員が知識及び技能が十分に発揮できない状態にあるときは、その係員を直接運転の安全に関する職務に従事させてはならない。
(設備の点検及び試運転)
第43条 係員は、リフトの試運転開始前に設備の各部にわたり点検を行い、異常のないことを確認しなければならない。
2 運転係は、他の係員が所定の箇所の配置につき、リフト主任が試運転開始指示を発した後でなければ運転を開始してはならない。
3 運転係は、営業運転開始前に一循環以上の試運転を行い、安全確実に運転できる状態にあることを確認しなければならない。
4 試運転中は、係員が設備の点検のため乗車する以外は旅客を乗車させてはならない。
(営業運転開始)
第44条 係員は、リフト主任が営業運転開始の指令を発した後でなければ旅客の輸送を開始してはならない。
(安全運転の確認)
第45条 リフトの運転開始及び停止は、常に係員相互間の合図等による連絡により安全を確認した後でなければならない。
(運転の停止)
第46条 運転係は、リフト主任の指示がなければ営業運転を停止してはならない。
(運行時間)
第47条 リフトは、原則として、定められた運行時間以外は営業運転をしてはならない。
(搬器の乗車制限)
第48条 搬器には奥大山第1リフトは2名、奥大山第2リフトは1名を越えて乗せてはならない。
2 2人乗りリフトに1名だけ乗車させる時は搬器の中央に乗車させねばならない。
3 酒気を帯びた者及びリフトの安全輸送を妨げるおそれがあると認められる者等については乗せてはならない。
4 下り線には旅客を乗車させてはならない。
(逆行運転の禁止)
第49条 リフトは、逆行運転をしてはならない。
(途中停止の禁止)
第50条 リフトが事故又は運転上危険と認められる場合の外は、乗客を乗せたまま途中で停止させてはならない。
(運転速度の変更)
第51条 運転速度は奥大山第1リフトは毎秒1.6m、奥大山第2リフトは毎秒1.8mとする。
2 前項の規定にかかわらず、乗客の危害防止等のため、運転速度減速の必要があるときは、別に定める「運転速度減速装置等取扱い要領」により減速するものとする。
(移動防止)
第52条 運転係は、リフトの運転を停止したときは、電源を遮断し、制動機を動作させる等搬器の移動を防止する措置をしなければならない。
(運転状況の記録)
第53条 リフト主任は、リフトの運転状況を別に定める様式に記録しなければならない。
第2節 打合せ、合図
(打合せの徹底)
第54条 リフト運転についての打合せ又は通告は正確に行い、相手者はこれを復唱するほか重要な事項はこれを相互に記録しておかねばならない。
(運転開始時の合図)
第55条 リフトの運転を開始するときは、次の順序により行わなければならない。
(1) リフト主任は、運転開始を指示する。
(2) 運転係は、監視係と乗客係に対して運転開始準備が完了したことを確認する。
(3) 運転係は、監視係と乗客係に運転開始の合図又は連絡をした後、運転を開始する。
(停止の合図)
第56条 リフトの運転を停止するときは、次の順序により行われなければならない。
(1) リフト主任は、運転係に対して運転停止を指示する。
(2) 運転係は、監視係と乗客係に対して運転を停止してよいかを合図等により確認した後運転を停止する。
(合図の方法)
第57条 合図は、電話又は直接口頭(必要に応じメガフォン等)による場合のほか手旗を使用するときは次の各号によらなければならない。
(1) 運転開始準備完了合図 緑色旗を垂直に高く揚げる
(2) 運転開始合図 緑色旗を大きく円形に振る
(3) 緊急停止合図 赤色旗を急激に振る
(合図用器具等の携帯)
第58条 係員は、次に掲げる合図用器具を携帯しなければならない。
運転係 手旗(赤色、緑色)メガフォン
監視係 手旗(赤色、緑色)メガフォン
乗客係 手旗(赤色、緑色)
第3節 異常時の処置
(異例事態の処置)
第59条 この規則に応急処置が定めていない異例事態が発生したときは、その状況を冷静に判断し、人命に対して最も安全と認められる方法により処置しなければならない。
(異常時の運転停止)
第60条 リフト主任は、次の各号の1に該当すると認めた場合にあっては、リフトの運転を停止しなければならない。
(1) リフトの施設が故障で運転に危険を生じるおそれがあるとき。
(2) 風速が毎秒15メートル以上になったとき又は搬器の動揺が激しく危険を生ずるおそれがあるとき。
(3) 雨、雪、霧、雷等のためリフトの運転に危険を生ずるおそれがあるとき。
(非常停止)
第61条 係員は、乗客の転落、設備の故障等を認めた場合においては第45条第46条及び第56条の規定にかかわらず非常スイッチ又は手動制動装置を操作して運転を停止するとともに直ちに状況を関係係員に通報し、リフト主任の指示を受けなければならない。
(救助の方法)
第62条 係員は、長時間にわたりリフトの運転が不能と認められるときは、リフト主任の指示に基づき次の各号により乗客をすみやかに救助しなければならない。
(1) マイク、メガフォン等により乗客に救助の際の注意事項等を知らせる。
(2) 状況に応じて竹竿、ロープ等の救助用具を適切に使用し、乗客を安全に救助する。
(運転の再開)
第63条 リフトの運転を停止した後、再び運転を開始するときは、停止の原因及び乗客の安全を確かめるとともに乗客に対し運転を再開する旨を周知徹底させ、救助用具を使用したときはこれを取除いたことを確認した後第55条の規定に準じて運転を再開しなければならない。
(通信不能)
第64条 通信設備の故障等により係員相互間の連絡ができなくなったときは、リフトの運転を停止させなければならない。
(気象警戒)
第65条 係員は、気象の状況に十分注意し、リフトの運転に危険を及ぼすおそれがあるときはリフト主任に連絡をしなければならない。
(作業時の措置)
第66条 係員は、リフト運転中にその附近で作業を行う場合は、運転に支障のないように留意しなければならない。支障を及ぼすおそれがあるときは、リフト主任の許可を得て、リフトの運転を中止しなければならない。
2 点検、検査のためのリフト運転は、技術管理者又はリフト主任の指示により行い、関係係員と連絡を厳正にし、傷害事故の防止に努めなければならない。
(運転事故の記録)
第67条 リフト主任は、運転事故が発生したときは、その状況を別に定める様式により記録しなければならない。
第4節 その他
(案内等)
第68条 係員は、乗客に対する注意事項を、必要に応じ適切な場所に掲示するとともに出改札時、乗降時において適時にこれを周知させなければならない。特に特別運転取扱いに関わる案内は次によらなければならない。
(1) 停留場には別に定める乗降要領乗車中及び乗り越ししたときの注意事項を乗客の見易い場所に掲示しなければならない。
(2) 停留場には乗降位置を見易いように表示しなければならない。
2 係員は乗客の危害防止を図るため、次の各号の処理をするとともに別に定める「リフト従事員教育及び訓練要領」によりリフトの安全運転のための教育を受けなければならない。
(1) 乗客係及び監視係は乗客の乗りそこない、降りそこない等不安全な状態になった時は、直ちにリフトの減速又は停止措置をとるとともに乗客の安全を図るものとする。
(2) 乗客が降車出来なかった場合には直ちにリフトの停止措置をとるとともに誘導する。
(3) 乗客が降車場に立ち止まらないよう指導すること。
第5章 整備
第1節 整備
(委任)
第69条 整備は、別に定める単線固定循環式特殊索道整備細則に委任する。
附則
この規則は、平成5年12月1日から施行する。
附則(平成10年規則第3号)
この規則は、平成10年4月1日から施行する。
別表 略