10月27日(木)江府町江尾地区内の新町2丁目公民館で「3000人の楽しい町プロジェクトチーム」公開報告会が開催されました。内容は10月13日(木)~15日(土)の日程で開催された雲南ゼミで勉強してきたことを報告しました。
【雲南ゼミとは?】
島根県雲南市の地域自治を進めているグループが主催する研修プログラム。少子高齢化の中で、地域自治の新たな形として先進的に取り組んでおられる雲南市や住民・組織のみなさんに直接インタビューし、その想いや仕組みなどを学び、グループ発表します。全国各地から同じような課題を抱えている自治体から行政関係者や地域づくりの担い手などが集まる日本でも先進的な研修です。
【報告者 建設課 梅林 徹】
住民による地域自治が盛んな地域として全国的にも有名な”島根県雲南市”。合併当時は自治エリアが広くなったため、各地域のまとまりが薄くなってしまったそうです。そこで行政主導で「地域自主組織」を推し進めていきました(元々あった自治会やグループをおおむね小学校区域でまとめた地縁組織に再編)。
また物事を決めるときには従来のような”一世帯一票”の考え方から”一人一票”という考え方を大切にし個人の意思を尊重する仕組みを目指しているそうです。これにより、小規模ながらも様々な機能を持ち、住民がやりたいことが実施できる組織へと変わっていきました。
【詳細はリンク先をご覧ください→ 地域自主組織とは? (クリックすると雲南市ホームページへジャンプします)】
【発表者 総務課 谷口宗一郎】
西日登(にしひのぼり)地区は地域の子供も大人も共に学習できる地区を目指した「なごみと共育」のまちづくりを進めています。もちろん主役は住民です。住民同士が教え合い子供から高齢者まで誰もが主役になれるような地区づくりを目指しています。例えば高齢者が先生となり子供に料理を教えたり、また伝統行事についても子供と大人が協力しながら実施するなど、共に関わり合いながら生活しています。
ただし伝統や文化を継承するためにみんなが共同で取り組むという考えとは少し違います。西日登地区は子供たちを大切にしていくためには何をしていけばよいのかという考えの中で、地元に根付いた伝統や文化を通して、まちを人を盛り上げていくんだというものでした。
大切にしていきたいものを地域で受け継いでいけるような仕組みを作ることが、住民が主役となるまちづくりにつながっていくのではと感じました。
【発表者 社会教育課 中川敦紀】
三刀屋地区では地域課題の把握のために全住民を対象にしたアンケートを実施されました。その結果、「人口減少・高齢化」「地域活動の役員や担い手不足」「旧市街地の衰退」の3つの課題が明らかになりました。これらの課題解決に向けて元書店だった空き家を活用した「世代間交流施設ほほえみ」という拠点を開設しました。
また運営は自主組織だけでは難しい部分もあり、企業や福祉事業者などと共同で取り組むことで運営の安定や多角的な事業展開を行い、まさに合わせ技で地域課題の解決に取り組んでいます。
自主組織の会長さんは「地域住民が一緒になって取り組みに参加したことで、地域課題やまちづくりに興味を持ってくれるようになった。そのことが嬉しい!」と話されていました。
【発表者 奥大山まちづくり推進課 浦部達洋】
雲南市で聞いた話の中で印象に残ったのは”雲南は都会の約20年先の課題に取り組んでいる”という言葉でした。そこにはいまだ解決策すら見つからない人口減少や高齢化の課題に真正面から取り組んでいることを誇りに日々取り組んでいる住民や行政の姿がありました。まちづくりで大切なことはそこに住む人々が「どんな暮らし」をしたいのかということ。その実現のために誰が(住民?行政?企業?)役割を担えば”暮らしの質”が高まるのかということを意識することで楽しく暮らせる町へ近づいていくんだと感じました。